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資格の概要と、有資格者の現状(1)



介護予防にかかわる方々には、有資格者のみならず、無資格ながらも業界においての長い経験を活かし活躍している「介護業界のプロ」も、大勢います。


しかしながら、介護予防関連の資格と現状 でも述べたとおり労働環境面・待遇面などの介護業界の現状インフラがあまりに弱いため、残念ながら業界を離れる人々も増え、その改善はいまや全国的にも待ったなしの課題となりつつあります。


もはや国内だけでは介護労働力をまかないきれない...とみて、タイやフィリピンなど海外からの外国人スタッフの介護現場への受け入れについてこれまで検討がなされてきました。



そして経済連携協定(EPA)にもとづいて、平成20年(2008年)7月末より、まずインドネシアから数百名体制の介護士・看護師の受け入れがスタートしました。



彼らが日本国内で有資格者として働き続けるためには一定期間内に日本の国家試験に合格する必要があるものの、ひょっとしたらそう遠くない将来、近くの介護施設で働いているのは彼ら外国人ばかり...という光景が、ごくありふれたものになるかもしれないのです。

(もっとも、外国人の看護士の受け入れを積極的に考えている施設の数はまだ2割にも満たないそうで、まだまだ時間のかかりそうな話ではありますが。)


2010年の看護師試験では初の合格者が出たものの、そのときの外国人合格率はわずか1%台でした。

試験問題の表現や難漢字の専門用語が合格の大きな障害となったとの判断から、その後は試験問題内用語の見直し、来日前の日本語予備研修の強化などが実施されてきました。

また外国人の受け入れを希望する介護施設等がなかなか増えないことから、募集期間を延長する対策などもとられています。


彼らは病院や介護施設で働きながら通常日本の在留期間の最終年となる4年目に、介護福祉士試験を受けます。

しかし試験の合格率が全般に低調なこともあり、国は候補者の在留期間を特例で1年間延長し、国家試験を再受験できるようにすることを決めています。


団塊世代全員が75歳以上となる2025年度には、介護人材の不足が約30万人に達するとも見込まれています。

この問題を背景に、政府は介護福祉士を取得した外国人が日本でより長期的・安定的に介護現場で働けるようにする狙いから、更新可能な新たな在留資格「介護」を設ける法改正を現在検討中とのことです。

一般社団法人 外国人看護師・介護福祉士支援協議会

 

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さて、このような環境下、自分の家族の介護予防を考える時が近い将来に訪れたとき、身内だけですべてなんとかしようとしたり、また逆にこれらプロの方々に丸投げしたりするだけでは、関係者のいずれにとっても、よい結果をもたらさないことでしょう。

介護業界でどのような資格をもった方が働いていて、彼らがどんな業務に従事しているのか。

お世話になる立場としても、そのような点についての基礎的な知識を持ったうえで、大切な家族の介護予防や介護のあり方について、プロの知恵を借りながらも、相談しあい一緒になって考えていく。


介護予防サービスを利用する側にとっても、このようなマインドがますます必要になってくるものと思われます。


介護福祉士

介護福祉士は、「社会福祉士及び介護福祉士法」にもとづく「国家資格」です。

ケアワーカー」などと呼ばれることもあります。


通常は介護施設居宅介護支援事業所などに在籍しています。

身体や精神の障害のために、日常生活における入浴・排泄・食事などで支援の必要がある人に対して総合的支援を行うと同時に、当事者やその介護者に対しても介護に関する指導を行います。


介護現場において一線で働く立場として現状は労働量が過酷となりがちなことから、残念ながらその離職率も高くなっています。


この後に述べる「社会福祉士との違いですが、介護福祉士現場で直接的に指導を行う面が強いのに対し、社会福祉士は介護・福祉に関わるアドバイスや全般的相談など間接的に介護に関わる面が強くなります。


ちなみに厚生労働省は、「介護福祉士」を介護業界における中核的資格としていくことを目指し、すでに資格取得要件の厳格化を実施すると同時に、近い将来において最上位資格となる「認定介護福祉士(仮称)」の設置を表明しています。


介護福祉士資格を取得した後のキャリアパスとして、10年後の2025年には介護福祉士の2~3%が認定介護福祉士となることを想定した検討がすすめられているようです。

認定介護福祉士(仮称)関連情報 (公益財団法人 日本介護福祉士会)



なお「介護福祉士の資格取得の見直し」の実施については、平成27年(2015年)4月まで3年間延期されることになっていましたが、平成26年(2014年)6月に成立した「地域医療・介護総合確保推進法」により「実施がさらにもう1年延期」されて、第29回試験からの実施となりました。


したがって新制度にもとづく平成29年(2017年)1月の試験までは、現行制度のままとなります。

(これにあわせ、450時間以上の「介護職員実務者研修」の義務づけも1年間の先送りとなりました。)


財団法人 社会福祉振興・試験センター 介護福祉士国家試験


詳しくは介護福祉士とホームヘルパー、資格取得要件の見直し(2)をご参照下さい。

 


社会福祉士

社会福祉士も介護福祉士と同じく、「社会福祉士及び介護福祉士法」にもとづく「国家資格」です。

通常は介護施設や医療機関に在籍しています。


高齢者や障害者、その家族の相談等に応じ、それを受けての指導やアドバイスを行います。

また高齢者の虐待や認知症が疑われる場合などにおいては、医師や福祉・保健医療サービスの提供者や、権利擁護機関等との間で、さまざまな連絡や調整を行います。


ちなみに、社会福祉士の資格を持っていなくても同内容の仕事はできますが、その場合は社会福祉士を名乗って行うことはできません(このような資格は、「名称独占の資格」と言われます)。


なお、2006年4月の改正介護保険法で発足した「地域包括支援センター」においては、社会福祉士の設置が義務づけられています。


財団法人 社会福祉振興・試験センター 社会福祉士国家試験

 

資格の概要と、有資格者の現状(2) に続きます。


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