介護予防 これだけは知っておきたい知識と知恵 の記事一覧
- 「介護予防」とは何か~その目的と、介護保険における位置づけ
- 介護保険における、介護予防サービス(予防給付)の概要。
- 介護予防サービス(予防給付)、各サービスの具体的内容について(1)。
- 介護予防サービス(予防給付)、各サービスの具体的内容について(2)。
- 市区町村が行う「地域支援事業(介護予防事業)」について。
- 介護予防のための「基本チェックリスト」とは。
- 介護予防、「地域包括支援センター」を有効活用する。
- 介護予防、その普及が伸び悩む理由は何か。
- 介護予防と体操~「介護予防教室」と「ご当地体操」
- 介護予防関連の資格と現状~疲弊する介護業界をあえて避ける有資格者。
- 介護予防に関わる資格の概要と、有資格者の現状(1)。
- 介護予防に関わる資格の概要と、有資格者の現状(2)。
- 介護福祉士とホームヘルパー、資格取得要件の見直しとその背景(1)。
- 介護福祉士とホームヘルパー、資格取得要件の見直しとその背景(2)。
介護福祉士とホームヘルパー、資格取得要件の見直しとその背景(2)。
介護福祉士(ケアワーカー)資格試験において、取得の要件が2012年4月以降から厳しくなります(その理由と背景については、介護福祉士とホームヘルパー、資格取得要件の見直しとその背景(1)。 をご参照ください)。
介護福祉士試験の見直しのポイントは、大きく三つあります;
1. 現在は実務経験が3年以上であれば受験資格が付与され、あとは介護福祉士試験に合格すればよいのですが、制度見直し後はそれに加えて、国が指定する養成施設において6ヶ月以上の「介護職員基礎研修」を受けなくてはならなくなります。
2. これまで国が指定する養成施設の卒業者に対しては、無試験で自動的に資格が与えられていましたが、制度見直し後は、彼らも試験を受けなければならなくなります。
3. 養成施設や福祉系高校における受験資格を得るための講習時間も、制度見直し後には増えることになります。
具体的には、福祉系高校の場合は現状の1,190時間から1,800時間へ、また養成施設の場合は現状の1,650時間から1,800時間へと、それぞれ増加します。
また、ホームヘルパー制度の見直しも行われることになりました。
2006年には、ヘルパーの中核的・指導的役割を担う層をつくるべく「介護職員基礎研修」が新設されています。
この「介護職員基礎研修」は、現在でもヘルパー制度の上位概念として位置づけられていますが、2012年をめどに現在のホームヘルパー1級をこの「介護職員基礎研修」に統合する予定となっています。
そして将来は、2級を含めたホームヘルパー全体を一元化しようというのが、最終的な国の狙いといわれています。
なお,現在の「ホームヘルパー3級」は、2009年4月から介護報酬が廃止となるため、資格としては事実上の廃止となります。
このような変更の理由のひとつに、介護福祉士とホームヘルパー上級との間で、受講時間数の差が大きすぎることがあげられています。
従来のホームヘルパーの養成研修は1級・2級をあわせても400時間に満たず、1,000時間強を必要とする介護福祉士との間に大きな溝がありました。
その是正と両者の橋渡し的な位置づけとして、「介護職員基礎研修」が登場したとされます。
ちなみに「介護職員基礎研修」の講習時間は、中間に位置する500時間となっています。
以上、名実ともに介護業界の中核的存在とするべく、介護福祉士の資格取得要件を厳しくするとともに、上級のヘルパーも最終的に介護福祉士を目指すような道筋をつけています。
ただしこの資格要件の見直しについては、問題点も指摘されています。
まず、介護福祉士を受験する側にとっては、受験までのハードルがあがった分だけ、金銭的にも時間的にも負担がそれだけ大きくなるはずです。
介護福祉士という資格のステータスは、今回の変更によってさらに上がっていくとは思います。
しかし、社会的ステータスの増加した分だけ、待遇や報酬の増加、および現状の過酷な長時間労働の緩和措置などもセットで付与していかない限り、「苦労のわりに報われない」「割に合わない」ということになってしまい、よほど社会的使命感の強い方しか、試験にチャレンジしなくなる恐れがあります。
介護予防関連の資格と現状~疲弊する介護業界をあえて避ける有資格者。 でも記したとおり、現時点においてさえ、介護福祉士の資格保有者の半分が介護業界以外の職についている状況です。
したがって、勤務時間や待遇など他の諸条件を据え置いたまま資格取得要件だけを厳しくしたのでは、ただでさえ人手不足の介護業界が、さらに困難な環境に置かれることになるのでは...と懸念する声も、すでに聞こえてきています。
介護業界をとりまく状況が急速に変化していることもあり、介護のスペシャリストを育成する仕組みを強化していこうという国の理念自体はよいとしても、使命感をもって介護業界に身を捧げようとする側に報いることのできる仕組みを、並行するかたちで整えていけるのかどうか。
質の高い介護予防サービス・介護サービスを受けたいと願う利用者の側としても、今後の事態の推移を注意深く見守る必要がありそうです。
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